2月28日

故郷、横須賀中央で落語会。

60人以上のお客様に集まっていただきました。

三笠通り商店街の地球堂さん、いつもお世話になってありがとうございます。

今回はゲストに太神楽の鏡味よし乃さんをお呼びしました。

初回のときは、じぶん一人でささやかな勉強会ができればと思っていたのですが、色々な方のお力をいただいて、ゲストが呼べるくらいの規模の会になって、ますます華やかな雰囲気になってきました。

お力添えいただいている皆さんに、いつか恩返しができますように。

次回は4月23日(土)に開催。

2月14日

末広亭深夜寄席にご来場いただいたお客様、ありがとうございました。

今のじぶんには精一杯のパフォーマンスをしたつもりですが、もっと。もっと。

 

2月11日

一緒に前座修業をやった雷門音助、今日から二ツ目に昇進。

午後の仕事の前に末広亭に寄る。

 

おめでとう音助。音助とは同い年で、楽屋入りが10ヶ月違い。だから二ツ目昇進も10ヶ月違い。10ヶ月、長かったね。

お前にだけは負けねえぞ!

よし!

2月10日

ご近所の六角橋商店街、アーチを新しくする作業が少しずつ進んでいる。ステンドグラスっぽくなった。以前のものは、ぶっといゴシック体で「六角橋ふれあいのまち」って書いてあるだけだったので、だいぶオシャレな雰囲気に。

六角橋は人通りも多いし、商店街全体で「いい街にしていこうよ」っていう活気を感じる。小さなお店が寄り添ういい街だ。

そんな六角橋商店街の片隅で、小さな勉強会をやることになった。ムーンキャットさんという雑貨屋さんの上が「二階劇場」という貸席になっていて、こちらで昼間に開く会を持つことになった。

この「二階劇場」が本当にいい雰囲気なのだわ。しかも、山台になる机もあるし、椅子もあるし、ちょっとした照明もついている。小回りが利く会場なので、定期的に、けっこうな高頻度で勉強会を開こうと思っている。近所だし。長く続く会になればいいなあ。

2月9日

先日も書いたが、上中里でやっていた「なんて素敵な落語会」が休止になる。会場が無くなってしまうからだ(建物はそのままだと思うけど)。

「なんて素敵な落語会」を始めたきっかけは、会場がとにかくヘンテコだったからだ。この会場で落語をやったら面白いことになるんじゃないか。場所の持つ面白みに重点を置いていた会だ。あの場所が無くなる以上は、いったん白紙にせざるを得ない。あの会場で落語をやることにやっと慣れてきたところだっただけに、すごく残念だ。

そんな事情も、今ではポジティブに捉えている。今年は「なんてな」のポジションを継ぐ新しい会を作ろうと思っている。実は、昨年の夏、ここでいつか落語会をやれたら面白いなと思っていた場所があった。

今日さっそく下見に行って、オーナーさんとお話をした。「こういう場所ですが、落語やっても面白そうですね」。ああ、なんとか開催できそうだ。また変わった落語会になりそうですが、詳細が決まったらお知らせします。

もう2月だけど、この一年の心構えを書こう。

昨年2015年。二ツ目に昇進して半年は、とにかく思いついたことをどんどんやった。上手くいった試みもあれば、散々だったものもある。年末の会は、特にお客様が少なかった。来てくださったお客様に、落語以外の面で気を遣わせてしまった。申し訳がない。

今年は、もっと地に足をつけて、じぶんの落語だけを考えていこう。ふらふらせずに、自分にとって大事なことを決めます。「これぞ」を決めて、取り掛かります。

……ま、たまにはヘンテコなこともしつつ。

あと、友達を大事にする。

2月8日

「もしもしぃ、文治です〜」

わっ、文治師匠だ。

「鯉丸さぁん、2月7日空いてる? 葉山の会なんだけど」

空いてます空いてます。

「鯉丸さんの地元だからね、どんどん好きにやって頂戴」

ありがたいなあ。

逗子駅で文治師匠と遠峰あこさんと待ち合わせ。ああ、中学・高校時代は毎日のように見ていた「後ろに空の車4両を増結」。

本番始まると、明るいお客様で、気持ち良く演らせてもらった。「前見た時より、うんと良くなった」と5人くらいのお客様から言われて、嬉しかった。

文治師匠、いつもどおりドッカン!ドッカン!と客席をひっくり返す。あこさんも明るい歌声とアコーディオンの音色で、まさに新春という雰囲気の会になった。

文治師匠とご一緒すると、本当に一日が楽しいなあ。エネルギッシュ。「去年はインフルエンザと骨折と牡蠣にあたって散々だったからねえ〜、今年はいいよ〜」。

ウイルスの方から逃げていくことだろう。

2月5日

用事があり、芸協の事務局へ立ち寄る。入口に、今春の新真打の披露目ポスターが大きく貼られている。一年はあっという間に巡りめぐる。この三人の兄さん・姉さんは、僕が入門した頃から二ツ目の中堅で、ベテランの先輩。にも関わらず、右も左も分からない前座の僕に声を掛けてくださり、本当にお世話になってきた。例えば、僕の腹の肉の二割ぐらいはきらり姉さんが付けてくれたようなものだと言っても決して過言ではない。少し言い過ぎた。

高座はもちろんだが、このお三方が、過去の披露興行で裏方として汗をかいて取り仕切っていたのを目の当たりにしている。今年は、僕たちが微力ながら、兄さん・姉さんの披露目を支える番だ。この先輩方と同じ寄席の楽屋にいることができて嬉しい。

2月3日

上中里「なんて素敵な落語会」。

会場のアートスペースチュプキさんが3月で別の場所に移転するらしく、この会場で開催できるのは今回が最後。不可思議で面白い空間だったので、残念だなあ。また詳細が決まったらお知らせします。

2月2日

稽古の音源を文字起こししていて、少し集中力が切れたのでブログ。

NHK Eテレの番組「フックブックロー」が面白い。毎朝欠かさず観ているといえば嘘になるけれど、なるべく欠かさないように起きて観ている。

番組の形としては、パペットのキャラクターが出てくる番組だ。僕らの子どもの頃の世代では、「ハッチポッチステーション」の流れをくんでいると思う。パペットの顔立ちもハッチポッチステーションと似ていて、同じスタッフが作っているのだろうと想像がつく。

さて、「フックブックロー」は古書店"日々はんせい堂"が舞台。お店の店主の"もくじい"、その孫娘でかわいい"しおりちゃん"、お店でアルバイトする青年"けっさく”(この人だけ生身の人間)、飼い猫の"リリック”、近所に住む双子 ”ゴージ”と”ダツジ”というキャスト。

10分間の番組なのだけど、いいんだわ。古本屋が舞台だから、ストーリーの内容も童話や日々のちょっとした「あるある」が扱われている。ときどき乱暴な収め方をする回もあるけど、大概は心にストンと落ちて、青空のような10分間。会話パートの合間に挿入される言葉遊びのパートも、くだらなくて良い。

そして、会話パートと二本柱となる音楽パートもいい彩りになっている。番組オリジナル曲の他に、ちょっと懐かしい昔の曲もうたってくれる。ちなみに、今朝は「壊れかけのRADIO」だった。

けっさく役の谷本賢一郎さんの声が少年のように高い。女性ボーカルの歌をうたっても違和感がない。高いといっても、甲高いわけではない。テレビの前で聞いている僕の男性性を忘れさせて、中性的ないい気分にさせてくれる。

しおりちゃん役は折笠富美子さん。この人の声はずっと昔から大好き。言うことなし。この人の声を毎朝聞ける幸せ。

この番組を面白くしているなあと思う仕掛けがある。飼い猫のリリックの存在だ。リリックがみんなのことを俯瞰的に、定点観測していること(あるいは屋上で寝ていてくれる)。リリックは、実は人間の言葉が話せること。そして、その事実を知っているのが"けっさく"だけということ。この魔法のおかげで、キャラクターたちの関係を多層的にしてくれている。

「実は、こう思ってるんだよね……」という気持ちをリリックに話す。けっさくはリリックと直接ことばのやり取りができる。他のキャラクターは、リリックに心情の吐露をしても「ニャン」と鳴くだけ。だけど、伝わっている。そのことをけっさくに伝えたり伝えなかったりする。人間って面倒くさいわ。だって私、猫だもの。

けっさくとリリックの二人きりだと、大人っぽさが高めの回になる。今朝の回もそうだった。今朝は、けっさくが大事にしているラジオの話。壊れかけていて、音が鳴ったり鳴らなかったりする。あっ、お目当ての番組が始まるのに、また調子が悪い。

 

「新しいの、買えばいいじゃない」

「うーん、音楽を始めた頃からずっと使ってるから、捨てられないんだよ」

 

そのままうたた寝をするけっさくは、自分のファンのリクエストで、自分の音楽がラジオから流れてくる夢を見る。夢から覚めてがっかりするけっさく。でも、気づくとラジオは直っていた。よし、もう少し使い続けよう。「壊れかけのRADIO」をうたい始める。

けっさくがワナビを引きずっていて、ときどき心の闇を出してくる(笑)。

余談だけど、物語の冒頭、けっさくとリリックの二人きりになる前、もくじぃとしおりちゃんがそれぞれ別の場所に出掛けていくのだけど、「たまには二人で途中まで行こうか」と、楽しそうに並んで店を出て行くのもいい。こういうひと言が、今日のけっさくとリリックが会話している間に、別のドラマがあることを想起させる。

ああ、省略ってすばらしい。落語もこういう「日常の襞」を大事にしたいよなあ。余談がいちばん大事。

さて、文字起こしに戻ります。

2月1日

相模原の選手権、予選を通過できませんでした。橋本まで応援に来てくれたお客様、本当に有難うございました。晴れ晴れとした気持ちでお帰しすることができず、申し訳ありません。結果を気にかけてくださった方にも、感謝します。

僕の芸がまだまだ未熟であること。もっと多くのお客様に楽しんでいただくために、努力すべき余地が大きく残っていること。今回の結果に、それがよく表れていると思います。

今後とも、厳しい目で見てやってください。