明日の高座の準備をしてます。
横浜駅の相鉄側の西口を出てすぐ、相鉄ムービルという建物があります。
映画館などが入っているんですが、ここの1階に新しくスペースができまして、あす落語をやります。

横浜西口で落語ができるので、喜んでます。

というのも、
横浜西口は相鉄ジョイナスという駅ビルなのですが、ジョイナスができる、もっと前。

相鉄演芸場という寄席があったのです。

私も、いつ頃からいつ頃まであったのか、細かくは知らないのですが。
横浜に相当古くからいる方でも、知らない方が多いですから、ずいぶん昔に無くなってしまったことは間違いないのですが。

昔、寄席がなくなってしまった場所で、また落語会ができる。
ごく私的な思い入れですが、楽しい会にしようと思うのです。

家に帰ってきてパソコンを開いて、この文章を書いています。
さて明日は、日本橋亭の二ツ目勉強会で『御神酒徳利』を演ります。
御神酒徳利。
一年前に根多おろししてから、高座に何度か掛けました。ここ最近、演る機会があまり無かったので、またさらい直して臨みます。

夕方四時すぎ。仙台花座の公演が終わり今日で東京へ帰る真打の師匠をお送りし、残った前座さん二人(馬ん次さん、幸七さん)と仙台三越の前を歩いていると、携帯電話の速報が鳴り、画面を見た幸七さんが「あッ」と声を上げる。歌丸師匠の訃報に接する。

数分間その場で立ち尽くしてしまう。とにかく宿へ戻ろうとみんなで呆然としながら歩く。

横断歩道を待ってるあいだ前座さんに「一門で一番下だから、連絡まわさないとね」などととりとめもなく話す。

宿に戻り弟弟子から電話で状況を聞く。突然のことで定席の楽屋も慌ただしい状態のよう。

五時半ごろ、お弔いの詳細の連絡がくる。椎名家と協会合同のお別れの会を7月11日に妙蓮寺で執り行うとのこと。

それから夜半にかけて、自分のような二ツ目の芸人でも知人から「亡くなってしまったね」という連絡が何件もくる。それだけ落語という存在を世間の人の心に留めてくださっていたんだよなあ、と日ごろから思っていたことなれど、改めて思う。

思い出は数多くあれど、まずは落語芸術協会として会長を盛大にお送りすることです。

そして今日も、歌丸師匠が耕してくださった仙台の寄席に出ます。寄席は毎日休みなし。

ご冥福をお祈りします。

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